(13)税関と通関

ビジネス日本語税関と通関コラム：旅は道連れ、世は情け日本には「旅は道連れ、世は情け」という諺がある。この諺には日本人の「恩と義理」に対する考え方を含まれていると言われている。世の中で暮らしていくには、互いに思いやりの心を持つことが大切である。日本では、年末やお盆のシーズンになると、デパートや商店はお歳暮やお中元の商品の買い物客で大変賑わっている。お歳暮やお中元は普段お世話になった方へお礼の印に贈るものである。その他にも多くの日本人は毎年欠かさずに恩師や友人や取引先などへお正月の年賀状、夏の暑中見舞い、冬の寒中見舞いなどの手紙やはがきを出す。これらの古くからの習慣が、今でも盛んに行われているのは日本人の心に根差した「恩と義理」意識の反映だといえるだあろう。一種の人間関係保証への投資とも言えるだあろう。コラム：旅は道連れ、世は情けまた、2月14日のバレンタインデーに、女の子たちはみなチョコレートを沢山買う。もちろん、彼女たちはたくさん彼氏がいる訳ではないし、これらを全部1人の恋人にあげる訳ではない。実はほとんどのチョコレートは義理チョコと呼ばれている。恋人に愛を表しに贈るチョコはたった１つだけなのだ。ほかの義理チョコは普段お世話になった男性に贈って、お礼の印に過ぎないというわけである。日本人はいつも少しでも助けてくれた人に機会を見つけてお礼やお返しをする。これは、日本は人間関係を重んじる社会であるから、人間関係のネットワークを広げていくことが重要なので、ビジネスマンの世界ではより一層「恩と義理」の意識を大切にしている。税関の概念英語のCustomsについて、最初は、商人が貨物を運送する際、港口や市場を利用できるため、その地方管理機関に税金を納め、「通過費」と「使用費」という意味をする。貿易の発展とともに、その地方に納める税金がなくなった。そうして、Customsは政府が輸出・輸入の貨物に徴収した税金だけを指す。従って、theCustomsは輸出・輸入の税金を徴収する政府機関という意味となった。税関（Customs）は、本国の法律によって、物品の輸出入を管理する国の行政機関であり、関税及び内国消費税等の徴収、輸出入貨物の通関、密輸の取締り、保税地域の管理などを主たる目的・業務とする。国際的な物流の管理に関与する必須的な機関であり、世界の多くの国々に同様の機関が設けられ、その名称としても「税関(Customs)」ということばが使用される。税関の役割適正かつ公平な関税等の徴収税関で徴収する関税、消費税等は、一国の国税収入の重要な財源となっている。安全・安心な社会の実現薬物、銃器をはじめ、テロ関連物品、知的財産侵害物品等を脅かす物品等の密輸出入を効果的に水際（みぎわ）で取締るのは、社会の安全安心を与えられる。貿易の円滑化貿易の秩序維持と健全な発展を目指すに当たっては、適正な通関を確保しつつ、簡便な手続と円滑な処理を実現する必要がある。税関では、手続やシステム運用等の改善を行うなど、利用者の利便性の向上等を通じた貿易の円滑化の取組みを進めるのは大切である。税関での検査税関では、移出入物品の検査を効率的かつ正確に実施するため、様々な特殊機材などが使用されている。X線検査装置荷物・貨物を開被せずに内容物の検査が可能であることから、税関の検査業務において広範囲に活用されている。国際空港や国際郵便交換局内の税関出張所に設置して使用されるほか、特殊なものとして港湾のコンテナヤード出入口に設置し、大型トレーラーをそのまま収容して検査する大型X線検査装置や、2tトラックシャーシに架装し、必要な場所に移動して検査を実施できる車載型X線検査装置もある。麻薬探知犬嗅覚により、荷物の中に隠された麻薬などの不正薬物を探知するよう専門の訓練を施された犬。全国の税関に配置されている。近年は薬物のほか、爆発物や銃器をも探知できる新たな訓練を施された探知犬も配置されている。税関での輸入禁止物品個人で携えて入国禁止物品について1．麻薬、覚醒剤などの不正薬物、拳銃などの武器2．ブランド品の模造品3．牛、豚、羊、鶏など家畜・家禽の肉、内臓およびそれらの加工品（ハム、ベッコン、燻製品、干し肉など）4．土、植物、野菜、果物5．象牙と象牙製品、一部の動物標本、皮、皮革製品および『ワシントン条約』に保護される動物で造ったもの6．化粧品と薬品の数量が制限され、一つの種類の化粧品において24個を許可、一部の漢方薬が輸入禁止。7．その他の検疫必要とされる動植物。•ワシントン条約とは、正式には「絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」といい、1973年、ワシントンで採択されたことから通称「ワシントン条約」といわれている。この条約は、国際取引によって生存を脅（おびや）かされている又は絶滅してしまう恐れのある野生動植物を保護することを目的とした条約で、日本をはじめ世界の約170カ国が加盟している。覚せい剤mdmaアヘン大麻樹脂不正薬物けん銃知的財産侵害物品壱万円札の偽造品偽造クレジットカード原板ワシントン条約該当物品（スローロリス）通関通関とは、貿易において貨物を輸入及び輸出をしようとする者が、税関官署に対して、貨物の品名、種類、数量、価格などに関する事項を申告し、必要な検査を受けた後に、輸入の場合は関税など必要な税金を納入させ、税関から輸出入の許可を受ける手続き。この許可を得ないと、輸出入が完了したとはならず、輸出の場合は内国貨物から外国貨物にならず船積ができない。また、輸入の場合は外国貨物から内国貨物にならず、保税地域から国内に引き取ることはできない。この通関に関する手続を行わず（手続きを怠ったり、虚偽の輸出入申告を行ったりして）輸出入を行った場合、それは密輸にあたる。輸入通関手続の目的は，国際的な物流を阻害することなく，関税・内国消費税を適正に徴収し，併せて水際における社会悪物品の防あつ，他法令規制等の最終チェックを行うことにある。このため，税関においては，輸入（納税）申告に係る通関審査・検査・徴税を中心に，申告前における事前教示，事前の関税評価としての包括評価申告についての審査，輸入許可後における調査，減免税についての確認又はこれらの業務の的確な処理のための分類・分析，相談・苦情の処理等多岐に亘る業務を行つている。輸出申告貨物を輸出するときは、輸出者はその貨物を保税地域に搬入した後に、その保税地域を管轄する税関官署に対して輸出申告を行い、貨物に対し、必要な審査・検査を経て、許可を受けなければならない。輸出申告の手続は、輸出しようとする貨物の品名、数量、価格などを記載した所定の様式の「輸出申告書」仕入書、またはそれに代わる書類包装明細書が必要となるほか、貨物の種類によっては、法令の規定により必要な書類（輸出許可・承認書、関税の軽減・免除・払い戻しに関連する書類、内国消費税の免税を受ける貨物については輸出を証明する申請書、その他）があればそれらも添付して税関官署に提出することによっておこなわれる。輸入申告外国から到着した貨物を国内に引取る（輸入する）ためには、輸入者はその貨物を保税地域に搬入した後に、その保税地域を管轄する税関官署に対して輸入申告を行い、貨物に対し、必要な審査・検査を経て、関税、内国消費税等を納付して、許可を受けなければならない。輸入申告の手続は、輸入しようとする貨物の品名、数量、価格などを記載した所定の様式の「輸入申告書」仕入書（invoice、インボイス）、またはそれに代わる書類船荷証券（航空便の場合、航空貨物輸送証）保険料明細書運賃明細書包装明細書輸入申告が必要となるほか、貨物の種類によっては、法令の規定により必要な書類（輸入許可・承認書、特恵関税の適用を受けようとする場合は「特恵原産地証明書」、減免税の適用を受けようとする場合は「減免税明細書」、その他）があればそれらも添付して税関官署に提出することによっておこなわれる。通関業務の流れ