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よしもとばなな小説作品の構造特性~主人公の心理のグラフ化をもとに~目次序章課題設定の理由第一章課題解明の方法第一節心理を抽象化する作業について第一項心理の抽象化について第二項心理のカテゴリー化について第二節心理をグラフ化する作業について第一項心理の数値化について第二項グラフの種類について第二章作品分析(1)『キッチン』(2)『キッチン2満月』(3)『うたかた』(4)『哀しい予感』(5)『TUGUMI』(6)『ハゴロモ』第三章まとめと今後の課題第一節本論のまとめ第二節今後の課題参考文献・資料おわりに序章課題設定の理由課題設定の理由女性向けのファッション雑誌「Olive」2002年12月号(マガジンハウス)に、女性704人を対象にしたアンケート調査結果の記事が掲載されている。質問項目の中に「あなたの好きな作家は?」という項目があり、一位:江國香織、二位:よしもとばなな、三位:村上春樹という結果であった。以上のような結果を見るまでもなく、よしもとばななは、女性読者を主な対象に、大変人気の高い作家のうちの一人である。よしもとばななは1988年に『キッチン』でデビューして以来、小説作品のほかにエッセイや「ロッキンオンジャパン」という音楽雑誌での執筆、奈良美智緒などのアーティストと共同で本を出版したりなど、分野の違う様々なメディアで注目され、活発な創作活動を行っている。(参照:)私がよしもとばななの小説を初めて読んだのは、高校生の頃だった。「有名だから読んでおくか」という気持ちで、デビュー作『キッチン』を手始めに読んでみたのだが、一読した時点では「なんだこの変な話」というのが主な感想であった。文章は平易でわかりやすく、まるで少女漫画のような語り口なのに、描かれている世界はもっと深いような気がする、ということを漠然と感じていた。しかしなぜこの作品が有名なのかいまいちわからなかった。それまで少女漫画や少女小説(コバルト文庫など)、テレビアニメにどっぷりとつかり、読んだ本と言えば童話や神話、児童文学ばかりで、純文学に慣れていなかった私にとって、よしもとばななの小説は、純文学とそれ以外をわける境界線に位置するものに思えた。少女漫画や児童文学などは、起承転結がはっきりし、物語が落ち着く先がなんとなく見えている。一言で言えばわかりやすいものばかりである。しかしよしもとばななの作品は、それらとは確かに一線を画す。事件と呼べる事件も特に無く、少女漫画的な物語展開ではない。なのにいつの間にか作品世界に引き込まれ、自然に読み進めている。よしもとばななの小説作品には不思議な魅力があり、それがよしもとばななの作品に興味を持ったきっかけであった。はじめに例示したアンケート調査結果のコメントに、「透明感のある文体と現実と非現実の狭間のような不思議な世界観が魅力」という記述がある。よしもとばなな作品を、頻出する言葉に着目して分析研究された上野裕子氏は、その論文(※1)の中で、よしもとばななの文章特性として以下の事柄を挙げている。○「夜、死、光、夢、遠、闇」という順にこれらの言葉の使用頻度が高い。(初期六作品中)○白や青などの色彩語を多用している。色というのは、一瞬にして人にイメージ、インパクトを与える。ばななの世界は色が自然と与えるメッセージ性をうまく利用している。○文体による親しみ安さがある。日常使う言葉を使い、日常するように感情表現をする。常に語りかけられているような感じを受ける。・オノマトペの多用、“とか弁”、記号(!、?、・・・)を用いている。・作品の語り手が自分の考えや判断について確信を持っていない。「みたいな」「そういうような」「かもしれない」などのように形容詞と形容する対象をしっかり結びつけることに拒否反応がある。・「美しい」「淋しい」などのように、片言で感動を現す。感動の度合いを(描写によって)限定しない。○文法的な問題は全く意味がなく、「人に伝える」ことを最重要としている。「肝心なのは自分の言いたいこと」「訴えたいことと文章のあいだに距離があったらとにかく失敗なんです。」と作者本人が述べているように、ばななが「人に伝える」のは、風景でも物でもなく気持ちなのである。以上論文を参照に簡潔にまとめた。上野氏が述べているように、よしもとばなな作品の魅力の一つはその個性的な文体であり、自然と読まされているという感があったのは、その文体にあったと言える。上野氏が述べられているような特徴や、独特な比喩表現を用いて対象を描くことによって、作品世界に読者を引きこむのである。独特の文体に支えられたよしもとばななの作品であるが、上に述べたように少女漫画的展開に慣れてしまった私にとって、やはり物語の構造がつかみづらい。事件が全くないわけではなく、主人公の心理が最終的には変化していっているのはわかるが、いつのまにか知らない間に変化し、物語が終わっている、と感じてしまうのだ。ある事象をその独特の文体で描くことによって、奇妙な浮遊感を生み、読み手に曖昧なイメージを与える。特に小説中のあらゆる場面で数多く心理描写がされているが、それが文体の効果によって、つかみどころなくひたすら流れるように感じられるのだ。よしもとばなな作品は主人公の心の成長や回復を主にした作品が多い。(『キッチン』『哀しい予感』など、特に初期作品に多く見られる傾向)物語の展開だけではなく、主人公の心理の変化が作品の構造を支えていると考えられる。ここで主人公の心理を数値化しグラフ化してみると、つかみづらいと感じていた主人公の心理の動きが、目に見える形で明らかになるのではないか。どのような心理が、どのように変化し、物語を支えているかについて、検証してみたいと考えた。本稿では、主人公の心理に注目し、その推移をグラフ化する作業を通して、よしもとばなな小説作品の構造の特徴をみていく。第一章課題解明の方法心理をグラフ化するまでの作業手順は以下の通りである。1.文章中から読み取れる心理を、感情語に抽象化する2.感情語をさらに抽象度の高いカテゴリーにあてはめる3.カテゴリーごとに定められた数値をもとに、グラフ化する以下は、この作業方法の詳しい説明を行う。第一節心理を抽象化する作業について第一項心理の抽象化についてまず、何を持って「主人公の心理」とするかを定義する。心理学者松山義則氏はその著書『感情心理学第一巻』(※2)において、次のように述べている。人間の心を区分するとすれば、伝統的な知・情・意の三分割に従うのがもっとも穏当であろう。(中略)人間の心を伝統的な三分割によって区分するといっても、要素の組み合わせのように、3つの分野に、あるいは作用に明確に区分することは不可能である。心の全体のうごきのなかで、感情のはたらきを考えねばならない。また、感情と意志を分割するのではなく、感情と意志を連続的なはたらきであると考えることもできる。情意は、受動的な心的状態である感情と、能動的な状態である意志のはたらきの2つの極から成立していると考えることもできる。(※2-p1より抜粋)精神分析学者エルグレンもまた、精神分析学の立場から、人間の心を「自我」を中心とした「思考」「感情」「意志」の3つに分割している。(※3)以上のように人間の心理は3つに分割されるとされているが、本稿では「知・情・意」でいう「知」、またはエルグレンのいう「思考」は心理として扱わないこととする。よしもとばななの作品中で、主人公が「思考」する場面は必ず存在する。しかし「思考」は、道徳観念で言う「良い・悪い」などに分けることができたとしても、数値化することは困難である。心理を因子として取り出し、数値化することが目的であるので、数値化不可能な「思考」はそれ以外の心理に大きく関係するものであれば取り上げるが、基本的には心理として扱わないこととする。さらに松山氏は、感情と情動について定義づけをしており、以下それを参考にまとめた。●感情(feeling)感覚から喚起される快、不快の心的状態あるいは意識的経験。「すがすがしい気持ち」「いやな心地」など。●情動(emotion)急激に生じ短時間でおわる比較的強い感情。主観的な内的経験であるとともに、行動的、運動的な外面的反応であり、内分泌腺の変化などの生理的活動をともなう。「怒り」「恐れ」「愛」など。●気分(mood)長時間持続的に生ずる比較的弱い感情状態。「楽しい」「うっとうしい気分」など。●情操(sentiment)個人の中に学習を通じて獲得された高尚な感情。文化的価値に関して生ずる。(※2-p1~2)本稿では、以上の感情状態を、不分類のまま全て主人公の心理として扱うこととする。心理が発生する過程には諸説があるが、松山氏の考えにより、「対象」に接触しそれを「意識的経験として評価した状態」(※2-p12)を、心理が発生した状態であると考える。「対象」はまた「刺激」とも呼ばれるが、小説作品においての「対象」は「出来事・事件・状況・人物」など、主人公が認知したものであり、それに対してなんらかの心理描写があれば、それを心理とする。次によしもとばなな小説作品中における心理描写のパターンをみると、以下のように分類できる。・パターン1・・・対象-認知→感情語・パターン2・・・対象-認知→心理描写→感情語・パターン3・・・対象-認知→心理描写・パターン4・・・心理描写のみ(思いつき、予感、悟りなど)認知はあくまで心理発生の過程であり、叙述には描かれていない。以下パターンに沿って文章を例示しながら、どのような文章からどのような心理を抽象化したかについて述べる。例文は全て『哀しい予感』(対象作品)から抜粋した。・パターン1・・・対象-認知→感情語「おかしなものだ、あのあたたかい家の中ではいつも不安だったのに、こんなに生きていくことが不確かな暮らしに私は充実感を感じていた。」主人公は、不確かな生活という「状況」に「充実感」を覚えている。単純に感情語で表されており、「充実感」というすでに抽象化された状態である。・パターン2・・・対象-認知→心理描写→感情語「それなのに今はまるで宇宙の闇を見ているように孤独なのだ。」主人公は前の文脈で述べられてている、ある「状況」に「孤独」を感じている。「孤独」に修飾する語がついたパターンであるが、そのまま「孤独」に抽象化される。・パターン3・・・対象-認知→心理描写「あたたかい陽射しの中、遠くの雲間に太陽が見えかくれしているのを眺めているような、優しく心地よい気分を、久しぶりに味わう気がした。」この場合複雑な心理描写がなされており、前後の文脈や、「対象」から判断して感情語に抽象化する作業が必要である。上の文章の場合、幼い頃の記憶が無かった主人公が、あうことをきっかけに過去の真実を知ったことが「対象」であり、上のような心理状態にある。よって、「充足」という言葉に抽象化する。・パターン4・・・心理描写のみ「ふいに胸の内側がざわざわする感じ。何かが、わかりそうな気配。そして何かを見つけることができそうな予感・・・・・自分の何もかもをくつがえすような出来事がやってくるような、少し恐ろしくて奇妙にわくわくして、どこかもの哀しい気持ち・・・・・」この場合も複雑な心理描写がなされており、「対象」が明記されていないものや、「対象」なしに突然実感を覚えたりと、はっきりしないものがほとんどである。「思いつき」「予感」「悟り」などがそうである。これらは「思考」に近いものであり、扱いは「思考」と同じく、それ以外の心理に大きく関与するものであれば取り上げる。第二項心理のカテゴリー化について次に、第一項で示した作業によって抽象化した感情語を、さらに抽象度の高い感情語のカテゴリーに分類していく。これはできるだけ心理を因子として扱い、数値化しやすくするためである。まず実験的に『哀しい予感』を対象に心理の抽出を行い、そこにあらわされた心理をもとに、以下のカテゴリー一覧を作成した。また、カテゴリーの見出し語を考えるに当たって、ローズマン(Ros
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