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12005年3月23日日本政策投資銀行もたに地域企画部参事役藻谷浩介E-mail:komotan@dbj.go.jp岐阜の市街地活性化と交通体系を考える2市街地なんていらない郊外でラクに暮らせばいい!郊外は駐車場がタダ!駐車場維持管理費は誰の負担?道路や上下水道は誰の負担?買い物は郊外大型店、まち遊びは名古屋でいいじゃないか!岐阜市の固定資産税収は?地域経済は?地域の雇用は?3空洞化するまちの共通点市全体の人口は増えないのに、無計画な郊外開発が360°で展開される皆が「まち=商店街」と思っている(住居、業務、医療福祉、教育といった他の機能のことは眼中にない)市街地の地権者は、「景気回復」や「街路拡幅」を待って、空地や空店舗を空いたままにしているまちの「中身」ではなく、「足」の話(道路拡幅や駐車場整備…)ばかりが問題にされる容積率フル利用の再開発や街路整備を部分的に仕掛けるだけで、面的な再生のビジョンがない4岐阜市の市街地各所は「まちなか」でしょうか?生きている中心市街地の共通点〜賑わう町に必ず観察されるまちなかの3要素~「まちなか」の3要素~「住む人」と「来る人」の共生雑踏の中で、人々が場と時間を共有「器」の上への「変転」ある「雑居」まちという器の上に、諸機能・諸事業・諸人が、入れ替わりつつ雑居文化・気風・ブランド統制者不在にもかかわらず、競争と自由の中から醸成される、そのまち独自の文化・気風そして魅力5まちは「花」「根」=家「葉」=企業の事業所「茎」=病院・学校・役所・集会所「花」=お店根・葉・茎なくして花咲かず!(造花しかできない)公共(茎)と商業(花)だけの「切花」は、はかない道路や駐車場は「用水路」のようなもの(それだけでは何の花も咲かないです)6大型店跡地は商業者の夢=無料平面駐車場になったが、肝心の商店がもはや存在せず、住民用の車庫と化している商店もなく、空地だらけのJR・名鉄刈谷駅前(15分おきの快速で名古屋へ17分)民間事業者は市内バス運行から撤退→かつての目抜き通りを通るのは、週3回・1日4往復の福祉バスのみ究極の車社会の町での市街地消滅財政力指数1.36、愛知県刈谷市(人口13万人)の今(撮影:03/9)7H12-14に商店街の休日歩行者数が25%も増加し、空店舗は6つまで減少1階が切れ目なくつながり、人が雑踏を消費しに集まる、7ブロック・全長1km・のアーケード左のジャスコや佐世保共済病院と通路で直結された、松浦鉄道佐世保中央駅は、開業以来ほとんど乗客が減らず、最近までの黒字運行の原動力になっている郊外6kmのところには2万8千㎡・無料駐車場2,500台のジャスコシティがあるのに、商店街の8階建の昔ながらのジャスコ(もちろん駐車場なし)も健在松浦鉄道が生きる町の賑わう市街主産業軒並み不振の佐世保(人口24万人)の水曜夕方(撮影:03/9)860708090100110120130140150都市圏人口当たりの小売商業販売額(万円/人)6080100120140160180200都市圏人口当たりの課税対象所得額(万円/人)(資料) 小売販売額:商業統計/人口:住民基本台帳 課税対象所得額:日本マーケティング教育センター 都市圏:2000年国調10%通勤通学圏所得水準と小売販売額人口5万人以上の256都市圏2002年東京名護福岡高松安城帯広北見網走大阪神戸仙台札幌広島沼津厚木豊田平塚岡崎秦野つくば沖縄旭川函館伊東五所川原新宮加西西尾水海道青梅成田京都御殿場全国平均全国平均※佐世保はジャパネット たかたを除いた試算碧南小田原津敦賀蒲郡行田小林田川湯沢島原八幡浜山鹿宇和島横手日田菊池玉名大川東予北九州洲本滝川益田角田岩井羽生中条下館日立伊賀岐阜名古屋※佐世保刈谷高山大垣所得水準と小売販売水準の相違90.20.30.40.50.60.70.80.91.01.1都市圏人口当たりの大型店売場面積(㎡/人)0.50.60.70.80.91.01.11.220-69歳人口当たりの乗用車・軽自動車台数(台/人)(資料) 大型店:2003年東洋経済調べ 車登録台数:2002年国交省 都市圏:2000年国調10%通勤通学圏自家用車普及水準と大型店売場面積水準人口5万人以上の256都市圏東京広島神戸福岡鳥栖名瀬五所川原佐久諏訪平塚全国平均全国平均松阪松本伊那上田大阪仙台名古屋丸亀北九州福井秋田滝川白河鹿児島下館小田原帯広倉吉津山都城伊勢崎0.111.51岩井小林柏原三次人吉飯田沼田富岡山鹿宍粟加西菊池出水田川洲本水海道角田鹿嶋八日市場西脇八女1.11伊万里玉名大曲相馬1.16横手古川豊岡山口館山柳井津島田上野富士佐伯延岡水俣近江八幡浜松木更津日立金沢行田今治羽生網走高松1.13大牟田北見石巻大分久留米和歌山熊本沼津釧路松山静岡八幡浜旭川那覇0.16札幌長崎室蘭青森青梅厚木秦野釜石宮古京都函館岐阜大垣高山富山高岡岡山刈谷長浜佐世保大型店が少ないのに衰退が著しい市街地は、枚挙に暇がない明らかに大型店が過当競争状態大型店や車だけが犯人ではない100.80.91.01.11.21.31.41.51.61.7都市圏人口当たりの小売売場面積(㎡/人)5060708090100110120130小売商業坪効率(万円/㎡)(資料) 商業指標:2002年商業統計 人口:住民基本台帳 都市圏:2000年国調10%通勤通学圏小売売場面積と坪効率人口5万人以上の256都市圏・2002年平塚千歳北見つくば高松帯広沖縄松阪諏訪大田原那覇秦野横手佐久丸亀伊勢崎全国平均全国平均山口京都神戸成田羽生長崎松本鹿屋大牟田大川延岡田川大阪東京札幌仙台広島福岡北九州和歌山木更津沼津御殿場中津川豊田中津新居浜古川鳥栖国分人吉唐津飯田旭川金沢函館富士※佐世保はジャパネット たかたを除いた試算青梅小田原網走岩見沢鹿児島浜松敦賀静岡島田水海道0.74八日市場鹿島東予四国中央出水山鹿中条観音寺1.72喜多方本渡志摩赤穂富岡湯沢小林白河むつ阿南八女島原名瀬柳井名護滝川伊東諏訪岩井角田行田玉名水俣白石菊池八幡浜二戸土岐※佐世保岐阜高山名古屋刈谷大垣人口当り床面積が増えるほど、坪効率は落ちる識者の観察では、人口当たり小売売場面積は1㎡/人が飽和水準。これを超えると坪単価はどんどんデフレする商業床の過剰が坪効率を落とす11商業床の坪効率(P)0商業床の供給量(Q)坪効率低下による売上減よりも、床面積増加による売上増加の方が大きい(価格弾性値>1)いわゆる需要曲線昔々の日本:商業施設が少なすぎ、既存商店の坪効率は高いが、坪効率×床面積=売上は増えない状態(大型店規制や寡占に甘えた商売が成長を阻害)→商業施設が増えると坪効率は下がるが売上は増えるデフレではなく商業床の過剰1「いい品をどんどん安く!」が経済を成長させた幸せな時代の成功体験120いわゆる需要曲線行政の郊外乱開発にフリーライドして商店が増加商業床の坪効率(P)商業床の供給量(Q)床面積と坪効率のバランスで、売上が最大化していた値下げによる売上減の方が、販売量増加による売上増よりも大きい(価格弾力性<1)今の日本:商業施設が増えすぎ、坪効率が下がりすぎて、坪効率×床面積=売上までもが減っていく状態(郊外乱開発→経済音痴の過当競争が逆に成長を阻害)デフレではなく商業床の過剰2価格弾力性<1の状況下で新規店舗増設を続ければどうなるか_131991(H3)1994(H6)1997(H9)1999(H11)2002(H14)708090100110120130140指数(1991=H3=100)乱開発が招いた「消費不況」過剰床→坪効率低下→販売額減→雇用減小売販売額÷小売売場面積(坪効率)小売販売額小売売場面積名古屋都市圏小売従業者数1991(H3)1994(H6)1997(H9)1999(H11)2002(H14)708090100110120130140指数(1991=H3=100)岐阜ではもっと動きが極端過剰床→坪効率低下→販売額減課税対象所得額小売売場面積小売従業者数小売販売額小売販売額÷小売売場面積(坪効率)課税対象所得額岐阜都市圏商業床過剰が総販売額を減らす1520-59歳は9万1千人減少する(18%減)15年後の70歳以上人口の比率は合併前の郡上八幡なみ岐阜都市圏:岐阜市の10%通勤通学圏=岐阜+関+羽島+各務ヶ原+山県+15町村自然増加水準低下社会減少幅改善?15-34歳は7万6千人減少する(30%減)70歳以上は7万8千人増加(79%増)流出に加え死亡者の増加で、人口は減少に転じていく岐阜都市圏の人口動態と将来予測90年代後半の転出入のトレンドが続くと仮定したコーホート予測16自然増加水準低下社会増減トントン仮に人口流入が続いたとしても、死亡者の増加で人口は減少に転じる70歳以上は54万人も増加(2.1倍増!)名古屋大都市圏:名古屋市の10%通勤通学圏=尾張を中心に、東濃南端、三重北東端、西三河西端を含む58市町村20-59歳も30万人減少する(10%減)引き続き若者が流入を続けたとしても、15-34歳は38万人も減少(25%減)15年後の70歳以上人口の比率は、合併前の荘川なみ!名古屋大都市圏の人口動態&予測90年代後半の転出入のトレンドが続くと仮定したコーホート予測17自然増加水準低下社会増加再加速仮に人口流入が続いたとしても、死亡者の増加で人口は伸びどまっていく15年後の70歳以上人口の比率は、名古屋同様に合併前の荘川なみ!引き続き全国から若者を集めたとしても、15-34歳は250万人も減少する(28%減)70歳以上は319万人も増加(2.2倍増!)東京大都市圏:東京特別区+都下の大部分・埼玉南半・千葉西半・神奈川東半・茨城西南部にまたがる124市町村東京大都市圏も深刻に高齢化!90年代後半の転出入のトレンドが続くと仮定したコーホート予測18弁護1:三河は中国との競争に勝利した「超」経済活性化地域だ!トヨタ系ものづくり企業群が技術で国際競争に勝利し、失業率は極小、税収は極大、所得は最高弁護2:三河は少子化問題のない出生率国内最高水準の地域だ!極めて所得が高いのに、沖縄並みの出生率で、子供が多い素晴らしい地域弁護3:町はつまらなくても住民は誰も困っとらんじゃないか!郊外型SCや名古屋で遊べるし、東京にも海外にも行けるお金はあるし、なんも問題ないよ三河地域に表れている全国共通の問題暮らしの質の問題:所得相応の豊かさが実感できない中心商業地という選択肢がなく、高感度な消費アメニティを欠く多世代が憩える屋外賑わい空間に乏しい/文化活動やNPO活動が目立たない集客交流の問題:通勤者・出張者が全く金を落とさない飲屋街が目立たず、地元名物が育たない/出張者の地域内宿泊比率が低いメーカーに勤めればともかく、生活者相手のサービス業の雇用は振るわない財政の問題:仮に工場がなければ低収益・超高コスト市街地の固定資産税収は低落/全方位郊外開発でインフラコスト激増、高齢化に無防備何よりも富蓄の問題:所得が街並みに投資されていない空き地が年々増加し、老朽建物や安普請が目立ち、後世に残すべき景観がない貯蓄は域外に投資されて債券化→いずれは紙切れになってしまう危険がある19中心商業地衰退の原因に関する3つの罪深き誤解誤解1.衰退の原因は無料駐車場がないことだ→では、無料駐車場が十分に整備されれば中心商業地はよみがえるのか?→では、無料駐車場付のダイエーハイパーマートはなぜ全てつぶれたのか?→「足さえ整備すれば客は来る」なんて、今の消費者を舐めていませんか?誤解2.衰退の原因は大型店が撤退したことだ→では、大型店が再開発されれば中心商業地はよみがえるのか?→では、なぜ全国で駐車場付の再開発大型店がどんどんつぶれているのか?では、なぜコンビニが流行る一方で多くのGMSは経営危機なのか?→「売場が大きければ客は来る」なんて、今の消費者
本文标题:岐阜市街地活性化交通体系考
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